「この作業、時給にするといくらなんだろう」──ベルマーク集計をめぐって、10年以上ずっと問われてきた問いです。問うだけで終わらせず、実際に計算してみましょう。数字はどこにも送信されません。
分からない項目は、だいたいで大丈夫です。正確さより、桁の感覚をつかむのが目的です。
同じ「学校に◯円を届ける」という目的を、別の手段で達成した場合の比較です。目的はお金なのか、集まる時間そのものなのか──ここが分かれ道になります。
年間0時間の作業と引き換えに。交流の場としての価値があるなら、それは数字に表れない収穫です。
作業時間はゼロ。全世帯から0円ずつ集めれば、同額が集まります。使途を先に示すと集まりが良くなります。
強制をやめ、「やりたい人だけ」のサークル活動に。集計を楽しみにしている人も実際にいます。金額は減っても、誰も苦しみません。
いま出した実質時給は、これから毎年、下がっていく可能性が高い数字です。作業量が同じでも、集まる点数のほうが減っていくからです。
ベルマークを商品につける「協賛会社」は、2020年4月の52社から2023年7月には45社に減少しました。2026年には味の素の脱退も伝えられています。財団のサイトには「脱退した会社一覧」というページが常設されています。脱退の理由として「PTA保護者の負担」を挙げる企業も報じられています。
マークのついた商品が減れば、各家庭が持ち寄れるマークも減ります。それでも仕分けと集計の手間は変わりません。実質時給は、何もしなくても年々下がっていく構造です。あなたの学校の3年前の回収点数と、今年の点数を比べてみてください。
使用済みの純正インクカートリッジ(1個5点)、トナーカートリッジ(1個50点)、乾かした紙パックなども点数になります。切って貼る作業がまるごと不要で、点数の効率も良い。「やめる」の前に「やり方を変える」という選択肢もあります。
ベルマーク運動は1960年、「都会の子も、へき地の子も、平等に学べる環境を」という願いから始まりました。集めた点数で自校の備品を買うだけでなく、購入額の1割が自動的にへき地校・特別支援学校・被災校への援助にまわる仕組みが、今も生きています。
つまりこれは、単なる備品集めではなく再分配の運動でした。だとすれば問うべきは「やめるか続けるか」ではなく、こうかもしれません──その願いは、いまのやり方でしか実現できないのでしょうか。
たとえば、集計の時間をゼロにして、浮いた分を直接寄付にまわす。効率の良い方式(カートリッジ回収など)に切り替える。あるいは、やりたい人だけの活動として続ける。目的を守りながら、手段を変える道は、いくつもあります。
ベルマークの作業時間には、全国的な統計が存在しません。「時給数十円」と長年言われながら、誰もその実態を集めてこなかったからです。このツールの利用者のデータを集めて、日本で最初のデータベースをつくっています。
この計算機は これまでに – 回 使われました
この数字を、人を責めるために使わないでください。ベルマーク活動を長年支えてきた人にとって、「時給◯円ですよ」という指摘は、自分が費やしてきた時間の否定に聞こえます。実際、正論をぶつけたせいで改革が握りつぶされた学校がいくつもあります。
やめられない本当の理由は、非効率さではありません。「やめること=これまでの否定」に見えてしまうことです。だから数字は、勝つためではなく、全員が同じ事実を見るために使ってください。
そして、やめる前にひとつだけ。この活動が生んでいた良いもの(交流、居場所、子どもへの気持ち)を、一度言葉にしてから手放す。それだけで、続けてきた人の納得はまるで変わります。