役員決めの気まずい沈黙。誰も本音を言わない総会。声の大きい人だけで決まっていく会議──。話し合いがうまくいかないのは、参加者のせいではなく、進行の技術が場にないからかもしれません。
このプログラムでは、無料公開中の「PTA対話キット」を自分の学校で回せる進行役(ファシリテーター)になるための技術を、演習中心で身につけます。
「PTAを変えたい気持ちはある。でも総会で提案したら、反対されて終わる気がして言い出せない」
「話し合いの場を作っても、結局いつも同じ人しか発言しない。他の人が何を考えているのか分からない」
「保護者と一緒に見直したい。でも学校側が仕切ると『押しつけ』に見えてしまうのが怖い」
三者に共通するのは、意欲の不足ではなく、「意見が割れる話し合い」を安全に進める方法を、誰も教わってこなかったという一点です。それは教われば、身につきます。
「何を決める会か、決めない会か」を先に定める技術。目的の混在が紛糾の最大原因です。チェックイン・グループ分け・時間配分まで、90分を設計できるようになります。
声の大きさと意見の正しさを切り離す技術。書いてから話す、ペアで話してから全体へ──沈黙している人の考えを場に出す具体的な手順を練習します。
意見の衝突を、避けるのでも勝ち負けにするのでもなく、「選択肢が増えた」と扱い直す技術。反対意見が出た瞬間の返し方を、ロールプレイで体に入れます。
全会一致・多数決・お試し導入・見送り──決め方には種類があります。テーマごとに適切な決め方を選び、「決めないことを決める」ことも成果にできるようになります。
対話を「いい話し合いだった」で終わらせず、小さなおためし・担当・期限に落とす技術。ふりかえりメモの書き方と、次回への引き継ぎ方までを扱います。
講義は最小限。参加者どうしの演習とロールプレイが中心です。最終回までに、自分の学校での実施計画を持ち帰れる構成にしています。
対話キットの全体構造を理解し、90分の場を設計する演習。全員の声を出させる技術を、その場でお互いに体験しながら学びます。
「反対です」と言われた瞬間から始まるロールプレイ演習。紛糾の型を知り、返し方を練習します。決め方の選び方、ふりかえりメモの書き方までを扱います。
自分の学校の状況(争点・関係者・タイミング)を持ち寄り、実施計画を作って相互フィードバック。修了後の初回実施に向けた個別の作戦を持ち帰ります。
実際にキットを使った対話を実施したあと、うまくいったこと・詰まったことを持ち寄るふりかえり会。他校の実施報告からも学び、2回目以降の改善につなげます。
意見の違う相手と、対立を恐れず、関係を壊さずに話し合う。この技術がいちばん試されるのは、実は家庭かもしれません。
子どもの言い分を最後まで聞けているか。「決めつけずに問いかける」ができているか。家族の中の小さな対立を、勝ち負けにせず扱えているか──進行役の技術は、そのまま親としてのあり方を見つめ直す鏡になります。
私たちは、このプログラムが学校のためであると同時に、自分の子育てに向けて親としてのあり方を見つめ直す機会としても有用であると考えています。話し合って決める姿を、いちばん近くで見ているのは子どもたちです。
無料の対話キットを進行する人のための詳細版テキスト(PDF・全25ページ)に、当日そのまま使えるスライドとワークシートを付けたセットです。プログラムの日程が合わない方、まず独学で始めたい方向け。
準備チェックリストと案内文例/90分の進行台本(そのまま読めるセリフ例つき)/争点カード8枚の進行の勘所/紛糾したときの返し方集(声の大きい人・沈黙・犯人探しなど8場面)/全国の成功・失敗事例と学べること/仲間の見つけ方・先生との連携・座組の型/ファシリテーション基本スキル7つ/ふりかえりメモの記入例/掲示用「今日の6つの約束」シート
当日投影スライド13枚(PowerPoint形式・学校名や日程を自由に編集可)/A4ワークシート3種(棚卸しシート・話し合いシート・ふりかえりメモ)
購入特典:初回実施のあと、養成プログラムの「ふりかえり会」(オンライン・2時間)に1回無料でご招待。実施前の相談でも構いません。
サポートについて:本キットは買い切りのデジタル教材で、個別サポートは付属しません。一人でも多くの学校に届けることを優先し、いただいたご質問・ご感想は個別返信ではなく、教材の改訂とFAQの充実というかたちで全員にお返しします。ご相談は月1回のふりかえり会(購入特典・1回無料)にお持ちください。
共有について:ご購入いただいた学校・PTAの中では、印刷・配布・共有すべて自由です。役員会や保護者会でどんどんお使いください。一方、他校への配布・転送はご遠慮ください──この活動を続けていくための、ただひとつのお願いです。他校の方には、このページのURLをご紹介いただけるととても嬉しいです。紹介こそが、この取り組みへの最大の応援になります。
こんにちは。きづきくみたて工房の森本康仁です。元・小学校の教員です。9年間、教室で子どもたちと学級会をやってきて、その後、企業の人材育成や組織づくりの仕事に移って、ふと感じる時があります。大人の会議は、良い学級会に負けているかもしれない、と。
声の大きい人で決まる。反対意見が言えない。決まったことが実行されない──。これは個人の性格の問題ではなく、「話し合いの技術」を誰も教わってこなかったという、仕組みの問題です。だから、鍛えれば変わります。
きづきくみたて工房は、「時代が必要とする学びの機会を作って、届ける」を合言葉に、対話と合意形成の技術を日本の社会と組織のインフラにするための教材とプログラムをつくっています。PTAは、その大切な現場のひとつです。子どもたちがいちばん近くで見ているのは、大人が話し合う姿だからです。
このキットが、あなたの学校の「話せる関係」の小さな一歩になれたら、それがわたしたちの一番の成果です。