世界平和までのロードマップと二つの図鑑(構造編・実践編)を、映像で学ぶための入口です。8つのテーマごとに、その分野を切り拓いた「昔」の古典と、いまの到達点を示す「今」の一本を選びました。二本を続けて観ると、世界がこの10〜15年でどこまで歩いたのかが立体的に見えてきます。リンクはすべてTED公式サイトで、多くは日本語字幕付きです。
「面白い」だけで集めると、リストは無限に伸びてしまいます。そこでこのTED集では、次の3つをすべて満たすものだけを選びました。
※各テーマ末尾の「あわせて読む」から、対応する図鑑エントリへ飛べます。動画→図鑑→ロードマップ、の順に潜っていくのがおすすめの使い方です。
札束資本主義への処方を、測定の革命(昔)と、その結論(今)で。
昔貧困対策を思想ではなくランダム化比較試験で「測る」というRCT革命の宣言。のちのノーベル経済学賞受賞者による原点の一本。
今元・英国国際開発大臣が「助言や研修ではなく、現金をそのまま渡すのが最も効く」と自らの過去の政策を覆すまでの告白。
この14年で、問いは「援助の効果は測れるか」から「測った結果、現金が最強だった」へ。検証の文化が結論を出した実例です。
昔「非営利は質素であるべき」という社会の認知の癖(=妖怪)が、慈善の規模を縛ってきたことを暴いた告発の古典。
今富裕層の上位1%が所得の10%を出せば年3.5兆ドル。極度の貧困の解消に約2,600億ドル——と、世界の課題に具体的な値札を付けていく一本。
ロードマップのReality Check(貧困解消の値札)と直接つながる系譜。「お金が足りない」のではなく「回路と意思の問題」だという診断が、10年かけて数字になりました。
情弱民主主義への処方を、哲学(昔)と実装(今)で。
昔民主主義の核心は投票ではなく、共に善さを問う公共の熟議だ——ハーバード白熱教室の哲学者による原点。
今「では、くじ引きで制度化しよう」。古代アテネから現代の市民議会まで、抽選制民主主義の実装を提案する一本。
「熟議が大事」という哲学から、「くじで誰もが議席に座りうる」という設計へ。アイルランドやフランスの市民議会は、この二本の間で現実になりました。
昔アルゼンチンの活動家による、ネットで政治参加を再設計する初期の壮大な実験(DemocracyOS)。液体民主主義の項の生きた記録。
今台湾のデジタル担当政務委員(当時)が語る、vTaiwan・ブロードリスニングの実装と「速い公正さ」。
「ネットで投票の仕組みを変える」から「ネットで聴き方を変える」への転回。仕組み図鑑の液体民主主義↔ブロードリスニングの対を、当事者の声で辿れます。
昔「フィルターバブル」という言葉を世界に与えた古典。山彦という妖怪の生態を、最初に名指しした一本。
今アラブの春に火をつけた本人が、そのSNSが分断装置に転じた過程を告白し、橋を架ける設計(ブリッジング)を求める。
予言(2011)と、当事者による検死報告(2015)。コミュニティノートのブリッジング設計は、この二本への現在進行形の回答として観られます。
妖怪と式神の理論編。戦争の最小単位である「一つの認知」を扱う技術。
昔「自分が正しい」という感覚は、間違っているときもまったく同じ手触りをしている——妖怪論の哲学的な土台になる一本。
今組織心理学者による「考え直す力(Think Again)」の鍛え方。再考を弱さではなく、日々磨ける筋力として描き直します。
「間違いを認める哲学」から「再考の筋トレ」へ。デモクラ筋・メタ認知トレーニングの思想的裏付けが、この10年で実践論に降りてきました。
昔『ハーバード流交渉術』の共著者による「第三の側(サードサイド)」論。対立の当事者ではなく、周囲が平和の器になるという思想。
今公民権運動のベテランが説く、コールアウト(糾弾)ではなくコールイン(招き入れ)の文化。SNS時代の日常の作法として。
国際交渉のテーブルにあった原理が、20年かけてSNS時代の日常会話の作法に降りてきた系譜。「敵を作らずに変化を求める」技術です。
仕組みを使いこなす市民が育つ場所——教室から食卓まで。
昔小学4年生が世界の危機を「プレイして」解決する伝説の授業。教室が平和の道場になりうることの、最も美しい証明。
今リビア内戦を生きた平和活動家が語る、週に一度の家族会議。民主主義の練習は、家庭の夕食から始められる。
学校の教室から、家庭の食卓へ。「毎日通える道場」の最小単位は家だった——ロードマップの結論を、二人の実践者が先に生きていました。
ここに載っているのは、良い映像のほんの一部です。あなたの心を動かした、平和・民主主義・お金の流れにまつわるトークがあれば、ぜひ教えてください。TEDに限りません。いただいた情報をもとに、このリストを一緒に育てていけたら嬉しいです。