Nobel Peace Prize 1901–2025 / 世界の知恵
世界平和へのロードマップが引く125年の系譜を、原典で確かめるための資料集です。
ノーベル平和賞は125年にわたり、平和のために最大・最善の貢献をした人と団体に贈られてきました。
先人たちの声と、その全受賞者を、時代ごとに開いてご覧ください。
遺言でこの賞に託された条件は、国家間の友愛と、軍備の削減、そして平和会議の開催への貢献。ダイナマイトの発明者が最後に賭けたのは、武力ではなく、関係と対話でした。
世界の平和は、一人ひとりの内なる平和からしか育たない、と語り続けています。外側の軍縮の前に、内側の武装解除を。認知から始めるこのロードマップにとって、最も直接的な先達です。
敵と平和を築きたいなら、敵と共に働くこと。そうすれば敵はパートナーになる——27年の獄中の後、報復ではなく対話で国をつくり直した人の確信です。教育を「世界を変えるための最も強力な武器」とも呼びました。
真実和解委員会を率いた大主教は、著書の題のとおり「赦しなくして未来なし」と説きました。赦しは弱さではなく、未来を可能にするための現実的な技術である。土台には、人は他者を通じて人になるというウブントゥの思想があります。
植林運動から平和賞に至った彼女は、資源の枯渇と不公正な分配こそが紛争の火種であり、持続可能な環境と民主的なガバナンスが平和の条件だと訴えました。平和と環境と民主主義は、切り離せない一枚の布です。
「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、一本のペンが、世界を変えられる」。銃撃されてなお、武器ではなく教育を選び続けている彼女の人生そのものが、この言葉の証明になっています。
広島・長崎の被爆者たちは、自らの痛みを語り続けることで「核兵器は二度と使われてはならない」という規範を世界に育ててきました。証言という対話の力が、最大級の暴力への抑止になっています。
リベリアの内戦を終わらせた女性たちの運動を率いた彼女は、和平の席から排除されてきた人々——とりわけ女性——が対話のテーブルにつくことこそ、持続する平和の条件だと示しました。
分野は違えど、先人たちが口を揃えて指しているのは、兵器や条約という「外側」だけではありません。友愛、内なる平和、赦し、教育、証言、対話のテーブル——つまり人の内面と関係の側です。この宿題を市民の日常で引き受けようとするのが、このロードマップの試みです。
1964
「非武装の真実と、無条件の愛が、最後には勝つ」
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
米国 ── 非暴力による公民権運動(受賞講演より)
1974
核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」──非核三原則を国是として掲げた。
佐藤栄作
日本 ── アジア初のノーベル平和賞受賞政治家
1979
「平和は微笑みから始まる」──まず、いちばん身近な人から。
マザー・テレサ
インド ── 最も貧しい人々への奉仕
2008
「すべての紛争は、解決できる」
マルッティ・アハティサーリ
フィンランド ── 30年にわたる国際紛争の調停
2021
「事実なくして真実はなく、真実なくして信頼はなく、信頼なくして民主主義はない」
マリア・レッサ
フィリピン ── 事実に基づくジャーナリズムと表現の自由(受賞講演より)
2025
民主主義は、平和に不可欠である──自由のために闘う覚悟を持って。
マリア・コリーナ・マチャド
ベネズエラ ── 民主的権利の促進への「類いまれな勇気」(受賞演説・要旨)
時代ごとに開いてご覧ください。戦争や政治情勢により、受賞者が選ばれなかった年もあります。
その空白もまた、平和への道のりの一部です。
125年の系譜が繰り返し語ってきたのは、対話、和解、そして他者と共に考える力でした。
受賞者たちが生んだ手法のいくつか——ツツの真実和解委員会、ガンディーのサッティヤーグラハ、ボウイーたちの女性たちの平和運動——は、
いまも学べる実践として対話技法図鑑に収めています。
この長いリストの末尾に、小さな一行を書き加えるつもりで——私たちの持ち場は、この上のロードマップに記したとおりです。
出典・全受賞者の詳細:NobelPrize.org — Nobel Peace Prize