パフォーマンス
コンサルティング
HPI/BEMにもとづき、「やる気」ではなく環境と仕組みに原因を求める診断技術。研修ありきの提案をしません。
Retention Design for Multicultural Workplaces
採用コストをかけて迎えた人が、一年で辞めていく。「日本語がまだ」「文化が違うから」——原因を本人の能力に置いているかぎり、同じことが繰り返されます。日本で働く外国人は257万人。増えたのは人数であって、受け入れる職場の設計は追いついていません。わたしたちは、辞める理由を本人の適応力ではなく職場側の環境要因として診断し、対話と仕組みで設計し直します。
数字の出所:日本政策金融公庫総合研究所「職場の外国人に関するアンケート」(2024年1月・中小企業で働く日本人従業員1,000人。上の3つは外国人と仕事上の関係がある回答者ベース)/厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」(令和7年10月末時点)。
The Gap
厚生労働省の集計によれば、日本で働く外国人は2025年10月末時点で2,571,037人。前年から26万8,450人(11.7%)増え、雇用する事業所も371,215か所(8.5%増)と、いずれも届出が義務化された2007年以降でもっとも多くなりました。人手不足を背景に、受け入れはもう例外ではなく日常です。
いっぽうで、迎えたあとの職場では何が起きているのか。中小企業で外国人と一緒に働く人への調査では、相手の言っていることが分からない・自分の言葉が伝わらないことが「よくある」17.1%、「たまにある」56.6%——あわせて73.7%が行き違いを経験しています。そのうち68.5%は「言葉が正確に通じないことで仕事に支障をきたすことがある」と答えました。
それでも、やさしい日本語を使うよう会社から指示されている人は25.0%にとどまり、職場に日本語を学ぶ機会が「特にない」は37.3%です。行き違いは日常的に起きているのに、それを減らす手立ては個人の努力に委ねられている。ここが空白地帯です。
手続きの支援は、揃ってきた。
足りていないのは、入社した翌週からの、職場の設計である。
出所:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」(令和7年10月末時点・2026年1月30日公表)/日本政策金融公庫総合研究所「職場の外国人に関するアンケート」(2024年1月26〜31日・従業者299人以下の企業で働く日本人従業員1,000人。行き違いに関する数字は、外国籍の上司・部下・同僚がいると答えた456人が母数)。
Symptoms
どれも「本人の日本語力」では説明のつかない症状です。職場の設計を点検する入口として使ってください。
三つ以上あてはまるなら、それは本人の適応力ではなく、職場側の環境要因の欠落です。同じ調査では、外国人従業員が関係するハラスメントを見聞きすることがある人が16.3%、外国籍の部下がいる人にかぎると33.1%にのぼりました。見えていないのではなく、見える位置にいる人が限られているのです。
Behavior Engineering Model
ギルバート(トーマス・ギルバート/行動工学モデル(BEM)の提唱者)は、人が成果を出せない原因を「環境の側」と「本人の側」に分けて整理しました。研究が繰り返し示してきたのは、原因の大半が上段——環境の側——にあるということです。外国人材の定着も、例外ではありません。
期待される行動と評価の基準が、母語またはやさしい日本語で明示されているか。「察してほしい」は、情報ではありません。
マニュアルのやさしい日本語化、翻訳ツールの整備。調査では、仕事の話で翻訳機・翻訳アプリを「まったく使わない」人が62.7%でした。
昇給とキャリアの道筋が見えているか。次の一年が想像できない職場に、人はとどまりません。
日本語や業務の習熟。ただしここだけを支援しても、上段が空白なら成果は出ません。
そもそも担える仕事か。難易度と役割の設計は、受け入れ側の判断です。
働く理由。ここを「意欲の問題」で片づけた瞬間、打ち手はなくなります。
研修が必要なのは、外国人社員より先に、
受け入れる側かもしれない。
この調査でひとつ、はっきりした関係が出ています。職場全体で外国人従業員とのコミュニケーションが「十分に取れている」と答えた人では、外国人が孤立していると「まったく感じない」が63.9%。取れていない職場ほど、孤立は見えています。定着は、受け入れる側の対話の量と質に連動しているということです。
Service
日本語研修を足すのではなく、環境の側を診断して、設計して、続く形にするまでを一気通貫で伴走します。
行動工学モデル(BEM)にもとづき、六つのマスのどこが空白かを特定します。ヒアリングは本人側と受け入れ側の双方に行います。片側だけ聞くと、必ず「本人の問題」か「現場の負担」のどちらかに寄った結論が出るためです。
期待される行動と評価基準をやさしい日本語で明示し、1on1の議題と進め方を組み直し、相談経路を複線化します(同じ国籍の同僚だけが窓口という状態を解きます)。1on1の設計は1on1の成功と失敗の図鑑の失敗標本を踏まえて行います。
受け入れる側の管理職に、聞く技術のトレーニングを行い、三ヶ月後の運用まで伴走します。研修転移の研究が示すとおり、学んだ型は現場に支えがなければ数週間で元に戻ります(事例:研修の成功と失敗)。続く形にするところまでが仕事です。
このページで扱う範囲について。在留資格・ビザ・行政手続きは専門外です(行政書士業務にはあたりません)。扱うのは採用後、職場で定着するための環境設計だけです。手続きは士業の方が、入社後の職場はわたしたちが——という分担で、行政書士・監理団体・登録支援機関の皆さまとの協業は歓迎します。
Why Us
「外国人材」で検索して出てくるのは、在留資格と手続きの支援がほとんどです。入社した翌週から職場で何が起きるかを、行動科学と対話設計の言葉で扱うのが、きづきくみたて工房の立ち位置です。
HPI/BEMにもとづき、「やる気」ではなく環境と仕組みに原因を求める診断技術。研修ありきの提案をしません。
デンマーク発デモクラシーフィットネスの認定トレーナー。異論と違和感が安全に出る場を、実際につくれます。
小学校教員9年。相手の持っている言葉に合わせて説明を組み直す作業を、毎日していました。
入口は「外国人材の定着」。手に入るのは「誰にでも伝わる職場」。
期待を言語化し、評価の基準を明示し、相談経路を複線化する——受け入れのために整えた環境は、新卒にも中途にも時短勤務者にも効きます。定着率はその最初の成果指標にすぎません。日本人社員も含めた離職全体の設計は対話定着デザインをご覧ください(同じ診断技術を使っています)。
FAQ
本人の日本語力や意欲より先に、職場側の環境要因を疑ってください。期待される行動と評価基準が明示されているか、やさしい日本語やツールが用意されているか、キャリアの道筋が見えているか。中小企業の調査では、外国人と働く人の73.7%が意思疎通の行き違いを経験し、その68.5%が仕事に支障が出ると答えていますが、やさしい日本語を使うよう会社から指示されている人は25.0%にとどまります。行き違いは起きているのに、減らす手立てが個人任せになっている——これが定着しない構造です。
三つあります。ひとつ、期待される行動と評価の基準を、やさしい日本語で書き出すこと。ふたつ、相談経路を複線化すること(同じ国籍の同僚だけが窓口という状態を解く)。みっつ、受け入れる側の管理職に、聞く技術のトレーニングを用意することです。日本語研修より先に、この三つを整えるほうが定着に効きます。
言語は、行動工学モデル(BEM)でいう六つのマスのうち「情報」と「道具」にあたる一部です。評価やキャリアの道筋が見えない、相談相手がいない、といった他のマスが空白のままなら、伝わるようになった分だけ不満が正確に伝わるようになります。やさしい日本語は有効な一手ですが、環境全体の設計とセットで初めて定着につながります。
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